根管治療
歯の根の中(根管)を洗浄・殺菌して、歯を残すための治療
むし歯が進行すると、穴の中にいる細菌は歯の神経(歯髄)まで到達し、そこで歯髄の炎症=歯髄炎を起こします。歯髄炎になると痛みが強くなり「夜、痛くて眠れない」「歯がしみて何も食べられない」というような強い症状が現れます。歯髄は周りを固い壁=歯で囲まれているため、炎症による圧力の逃げ場がないので強烈に痛むのです。
こうなると、細菌に汚染された歯髄を取る=抜髄という治療が必要です。
また、この状態をさらに放置すると歯の神経(歯髄)は死んでしまい、症状はなくなりますが歯根の先は感染が起こったままの状態になっています。そしてある日突然、歯の根の先に膿を持ち、歯ぐきが腫れて強烈に痛むことがあります。歯髄炎になったり、死んでしまった歯髄を取り除き、根管をきれいに洗浄・殺菌したあとにしっかり封鎖して感染を防ぐことで、歯を抜かずに残すのが根管治療です。
●感染を放置しておくと
無症状の根尖病変は隠れた感染症とも呼ばれ、心疾患、がんをはじめ様々な慢性疾患の原因である報告があります。顎の骨の中に常に細菌がいる状態ですから、ここから全身的な影響が出てくることは想像できますよね。
こんな場合にも
「むし歯が悪化してしまい、抜くしかないと言われた」
「神経を取ったのに、歯ぐきが腫れたり痛んだりする」
「根の治療をしてもらったはずなのに再発した」
こんな歯の悩みやトラブルの場合も「根管治療」を行えば歯を救えるかもしれません。
「歯を長持ちさせるため」治療の基となる大事な治療です
どんなにきれいで精巧なセラミックや金属などの被せ物を入れたとしても、その下の土台は歯根です。家でいえば基礎になりますので、この根管治療の良否が歯の寿命を左右するといっても過言ではありません。症状がない場合もレントゲン等の診査で歯根の先に病巣が見られるケースがありますので、被せ直し等の場合に必要があれば根管治療からしっかり行うことをお勧めしています。
根管治療の流れ
【STEP1】
正確な操作ができるように、神経のスペース(歯髄腔)まで穴を開けます。
【STEP2】
リーマー、ファイルという器具を使い、歯髄や汚染物質を除去しながら根管を拡げます。その際、根管の長さを電気的に測定しながら、またはレントゲンで長さを確認しながら作業を進めます。
【STEP3】
超音波や薬液を使用して根管内の洗浄を行いますが、根管内がきれいになるまで回数を要する場合があります。必要に応じてレーザーの照射や抗生剤を使用することもあります。
【STEP4】
根管が清潔になったら、再び感染が起こらないように根管の先まで薬を詰めて封鎖します。
【STEP5】
根管治療後の歯は、詰め物・被せ物で歯冠修復を行います。
歯の色が気になる方へ
根管治療は実施したものの、治療後の歯の色に違和感を覚える方へ、当院では「ウォーキングブリーチ」をご紹介しています。変色した歯を内側から白くし、審美性が気になる方へのニーズを満たす治療です。歯の表面にホワイトニングを行うわけではないため、仕上がりが自然です。
また、歯の変色による歯茎の黒ずみも、ウォーキングブリーチで歯を明るくすることで歯茎の色合いが明るくなる場合があります。